はじめに
今までクワガタの幼虫を飼育する菌糸ビンは既製品を購入しておりました。
今年からは菌糸ブロックを購入し、自分で空ボトルへ詰めて菌糸ビンをつくる「菌糸詰め」にも挑戦してみようと思います。
独自の添加剤配合などを目的に自詰めされている方もいらっしゃると思いますが、私の場合は菌糸ビン代の抑制が主な目的です。
プリンカップへの菌糸詰めは一度やってましたが、ボトルへの詰め作業は今回が初になります。
菌糸詰め=大変な作業というざっくりした認識はありましたが、実際にやってみてどうだったんでしょうか?
クワカブ飼育初心者が初の菌糸詰めに挑戦した全記録を綴っておきます。
んじゃ、やっていきましょう~
go for it!
用意するもの
初の菌糸詰めに挑むにあたり2つの強力な武器を調達しました。
ひとつはNESiA(ネシア)さんの「ブロック崩しマスター」と、もうひとつは銚子オオクワガタ倶楽部さんの「N式じょうご+プレス棒」です。
それ以外に必要なものは
・100均のパン切り包丁
・デジタルはかり
・ゴム手袋
・アルコールスプレー
・園芸スコップ
・空ボトル
・ハサミ
くらいでしょうか。
新たに買ったものはパン切り包丁くらいで、基本的には普段のクワカブ飼育で使っているもので賄えました。
あと事前準備として菌糸に触れる可能性があるものは全てアルコールスプレーで消毒しておきました。
菌糸ブロックを崩す
菌糸を詰める前にまずは菌糸ブロックを崩す必要があります。
今回は8ブロック詰めていきます。
菌糸は銚子オオクワガタ倶楽部さんのcs+を購入しました。
とても状態の良い菌糸を届けていただきありがとうございますm(_ _)m
ではこのブロックを破壊していきましょう。
袋をハサミで切っていき。
菌糸ブロックを袋から出します。
被膜が分厚くなっている箇所をパン切り包丁でそぎ落としていきます。
ここは大体で問題ないと思います。
ちょっとぐらい白い部分が残っていても大丈夫なのでは?というのが個人的な意見です。
そしてブロック崩しで菌糸ブロックを崩していきます。
大根おろしの要領ですね。
崩し終わったオガの様子です。
菌糸詰めの流れ(手詰め編)
では詰めていきましょう。
(手詰め編)ってなってるってことは、このあと何が起こるか・・・分かるな?(笑)
まぁそれは一旦置いといて。
手詰めについてはこんな感じでやりました。
はかりの上にボトルを置いて
N式じょうごを装着
そしてプレス棒をボトルの中に入れ
このタイミングではかりのONを押します。
ゼロgの表示を確認してから
オガを投入していきます。
800㏄のボトルですと520gが良いということでした。
あとははかりからボトルを外し、プレス棒をガスガスと上下させオガを押し固めていきます。
みるみるうちにオガの嵩が減っていきます。
私が非力なこともありますが、プレス棒だけではオガがボトルに入りきらなかったので、普段マット詰めに使っているハンドプレスも追加招集しました。
更に力をかけて押していきます。
かなり力が要りますね。
ただし私のような素人でもN式じょうごとプレス棒の活躍によってかなり楽に作業ができているなと実感しました。
最後にボトルの肩へぎゅっぎゅっと押し込みます。
菌がまわるまでは通気が大切と聞きましたので4分の1にカットしたキッチンペーパーをタイペスト紙代わりに使います。
(菌がまわったらタイペスト紙に変えます)
「で…できた」
これでやっと1個完成です。
22℃くらいの結構涼しい部屋で作業していましたが、普通に暑く感じるくらいでした。
これは重労働や。
めっちゃ大変やん。
(:-))| ̄|_
こ、これをあと何個やれと…!?
いや正直ね。
最初は「8ブロックね。3時間くらいかな?」
とか舐めた時間配分で取り掛かりましたよ。
途中からしんどすぎて時間なんか計ってる余裕なんかありませんでしたが、軽く倍以上の時間はかかったと思います。
昼過ぎから始めたんですけど、なんなら菌糸詰めサクッと終わらせて夕方にウォーキングでもするかぐらいに考えてましたよ。
・・・。
夜までかかりましたね (´;ω;`)ブワッ
初めてやったし(震え声)って言い訳したいですが「菌糸の手詰めRTA」とかあったらゴミみたいなタイムを叩き出してたと思います。
いやマジできつかった。
永遠とブルーハーツの終わらない歌が脳内再生されてましたね(+_+)
全部詰め終わった頃には全身バキバキ、手には豆ができ、ライフはゼロに近い状態になっていました。
モウヤリタクナイ。コワイ。
今回は色々条件が悪かったですね。
初めてやるには8ブロックはきつかったです。
もう少しブロック数が少なければ「ちょっと疲れたな」くらいで終えることができたと思います。
それくらい「ブロック崩しマスター」と「N式じょうご+プレス棒」のタッグは素晴らしいものでした(^^)
初の菌糸詰め+私の経験不足が相まってこんなにしんどい思いをしたと思います。
結果800㏄のボトルが32個できました。
ちょうど1ブロックで4個できる計算ですね。
1週間後の様子ですが、ちゃんと菌糸がまわってくれたみたいです。
プレス機導入!!
はい。ど~ん。
Ashtakaプレス Type20sです。
手詰めしんどすぎィ!!
か~ら~の~・・・
プレス機導入!!(笑)
このスピード感よ。
自分でもビックリしてます。
ブログのサブタイトルで基本スタンスは現状維持とか書いておきながら、無駄に行動力だけはあります。
菌糸詰めでズタボロになった手でスマホをポチポチと操作し半泣きでプレス機を漁りましたよ。
中古ですが運良くプレス機をGETすることができました。
もちろん安い買い物ではありませんでしたが、手詰めの大変さを経験した自分にとっては悩んでいる時間なんてなかったです。
もうこんなもん即決よ。即決。
悔いはありません。
菌糸詰めの効率化を図る為、時間をお金で買いました。
ハンドプレスについては菌糸ブロックの数とかで今後使い分けしていこうと思います。
っていうか手詰めの大変さ知ってるからプレス機の有難味が分かるってもんでしょ。
(まだ1回しか手詰めしてないけど…)
菌糸詰めの流れ(プレス機編)
(プレス機をGETし、今度はカワラ菌糸のブロックがありましたので試運転してみました。)
スリーステップっすね。
ステップ1:ボトルにガイドパイプを装着し、オガを計測。
ステップ2:プレス機に設置。
ステップ3:レバーをまわす。
完成。
なに・・・これ。一瞬やん。
楽なんてもんじゃないでしょ。
全くと言っていいほど力なんて必要ないですよ。
レバーを回しただけ。
もう秒ですよ。秒。
え?っていうか手詰めの大変さなんやったん?
プレス機ヤバすぎでしょ。
なんていうか。
東京⇆大阪間をチャリンコで移動するか新幹線で移動するか、くらいの差。とでも言いましょうか。
上手く例えることができませんが、そんな感じです。
これは手放されへんわ。
ちなみに1400ccも瞬殺でしたね。
菌糸ビンの重さ(内容量)について
初めて菌糸詰めする時って何グラム詰めたら良いか正直分かりませんよね。
私は銚子オオクワガタ倶楽部さんのサイトにあるYouTube動画を参考に今回菌糸詰めを行いました。
(初心者の私にとってはとても有益な情報です。ありがとうございます。)
800㏄⇒520g
1400㏄⇒820g
がちょうどいいようです。
ボトル容量に対するオガの割合でいきますと
800㏄の方は520/800*100=65%になります。
しかし1400㏄の方は820/1400*100=58.5%になります。
あれ?詰まり具合は同じじゃないの?と疑問に思い、ボトルの実際の容量を確認してみました。
検証したのは千曲化成のPPボトルです。
まずは800㏄
菌糸が詰められているであろうところまで水を入れてみました。
778g
実際にもう少し水を入れられたと思いますので、800㏄の方は800の容量で良いみたいです。
何言ってんだこいつ?って感じだと思いますが、問題は1400㏄のボトルです。
同じように水を入れました。
800㏄と同様、菌糸がこの辺まであるよね、的な量です。
1230g
ちょい少なくね?
ここで千曲化成の1400ccボトルって本当に1400ccなの?説が浮上しました。
真偽のほどは分かりませんが。
試しに1230で先ほどの式に入れてみると
820/1230*100=66.6%となり、800㏄と同じくらいの割合になりました。
ですので、
800㏄⇒520g
1400㏄⇒820g
については、どちらも実質的な容器容量に対するオガの割合は約65%となり、銚子オオクワガタ倶楽部さんの動画でご説明いただいているグラム数はちょうどいい詰め具合になっているということです。
私は今後、菌糸詰めを行う際はボトル容器の約65%の量のオガを詰めるようにしていこうと思います。
(もちろんもっと硬詰めされている方もいらっしゃると思いますが)
コスト面について考察
菌糸詰めを自分で行っている方の多くは私と同じように菌糸ビン代を少しでも安く済ませたいという方も多いと思います。
そこで簡単にコストについて考えてみました。
800㏄ボトルで考えたいと思います。
先述の通り、菌糸ブロック1つから800㏄の菌糸ビンを4つ作ることができました。
菌糸ブロックや菌糸ビンの値段も色々ですので、ここでは
菌糸ブロック1個=1,000円
既製品の菌糸ビン1本=500円
で考えたいと思います。
また、菌糸詰めする際の空ボトルも新品で買うと考えて1個=100円で考えます。
(まとめ買い等でもっと安く購入できるとは思いますが)
では800㏄の菌糸ビンを4本手に入れるというケースで比較してみましょう。
なお、ここでは送料などは考えないものとします。
①新品のボトルを購入し、菌糸詰めをおこなった場合
菌糸ブロック1個:1,000円
空ボトル4本(@100円):400円
合計:1,400円
②既製品の菌糸ビンを購入した場合
菌糸ピン4本(@500円):2,000円
合計:2,000円
①と②を比較しますと、既製品の菌糸ビンを購入した方が600円高くなってしまいます。
たった4本での比較ですが、これが40本なら、400本なら…と考えれば、ある程度菌糸ビンが必要であれば自詰めがコスト面では当然有利になりますね。
もちろん①には菌糸を詰めるという手間が発生してしまいます。
正直「忙しくてそんな暇ないよ」という方は既製品を購入した方が良いと思います。
少し前の私はまさにこの状態でした。
また、自詰めですと菌糸が上手くまわらず失敗した場合は、購入した菌糸ブロックや詰めた労力・時間が無駄になってしまうリスクもあります。
さらに私のようにブロック崩しやプレス機など初期投資をした場合、投資分を回収するには何本詰めないといけないんでしょうか。
怖くて計算できません(笑)
まぁ私の場合は作業の楽さなどを優先した結果こういった状況になりましたが…(;^_^A
コスト面については皆さんそれぞれ考えが違うと思いますので、答えはないと思います。
個人的な意見ですが、飼育を始めた当初は既製品を購入し、使用後のボトルはとっておく。
2年目くらいから菌糸詰めを実践するという流れが良いのではないかなと思います。
さいごに
クワカブ飼育を始めて自分でやってもいないのにTwitterやYouTube動画やブログ記事などで見ただけで「これは難しいんじゃないの?」とか「苦手だな」とか思ったものがいくつかありました。
具体的には「人工蛹室」「昆虫標本」そして今回トライした「菌糸詰め」です。
振り返ってみますと。
人工蛹室⇒案外簡単やった。それよか結構楽しかった。
昆虫標本⇒案外簡単やった。それよか結構楽しかった。
ってな具合でした。
では菌糸詰めについてはどうだったかと言いますと
⇒聞いてた通り大変やった。でも何とかできた。っていうのが率直な感想です。
やっぱ自分でやってみるってとても大事なことだな、と改めて感じました。
「見た」「聞いた」と「実際に自分でやってみた」とでは天と地ほどの差があると思います。
今回の記事が私のように「菌糸詰めって自分でできるんかな?」と躊躇している方の一助になればとても嬉しく思います。
では、菌糸臭が漂うなかではございますが(笑)
本日はこのへんで失礼いたします。
最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m